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「夜読む日記」

「本気で遊ぶ毎日の話」

11月、息子が3歳になった。
よく喋るし、よく動く。
何を考えているかを結構明確に言葉で教えてくれるようになり、それがとても面白い。

赤ちゃんの頃から、泣くポイントや興味の向きはあまり変わっていないので
「ああ、この人はずっとこういうことを考えていたのね」と、答え合わせをもらう日々だ。
正確ってあとからついてくるものかと思っていたけど、案外生まれたときから決まっているのかも。とも思う。

今年の4月から、息子は幼稚園に入る。
それまでは自宅保育を選んでいた。

といっても、自宅保育に強い信念があったわけではない。
「しんどくなったら考えよう~」という気持ちと、ただなんとなく長い時間を子どもと過ごしてみたかった。それだけだ。

私は毎日息子と遊んでいる。
朝5時ごろに起こされ、ご飯とお風呂と歯磨き以外の時間は、ほとんど息子に遊んでもらっている。

プールをしたり、楽器を触ったり、公園で虫を捕ったり、川に行ってみたり、道に落ちている実を集めてみたり。
大したことはしていないが、毎日毎日とにかく息子と遊ぶ。
といってもネタ切れになるし、3才と35歳では面白いことがかなり違っていたりもするので、自分の中にこっそりその日ごとに小さな目標を作って、「今日はこれをしよう」と決める。
今日は砂場の縁をきれいにしてみようとか、公園のあちこちに落ちてるシールをこっそり一か所に集めてみようとか。
そんなことをしながら友達みたいに、一緒に遊んでいる。

たまに、本当に遊ぶ気力がない日は、
一日中家で二人でテレビを見て過ごしてしまうこともあるがそれもまたよしとしている。

息子が生まれてから、子どもに対する見方がずいぶん変わった。
子どもを持つと「遊んであげなきゃいけない」と思っていたけれど、遊んでもらっているのはこちらのほうなのだ。

親というものは、どこまでも自己満足で、子どもを産み落とすこと、子どもと遊びまわること、一緒に過ごしたいと思うこと、きっと全部、親の都合なのだと思う。

それに付き合ってくれるなんて、なんて寛大なのだろう。と公園の土をいじくりまわしながらしみじみ考える。

例えば行事ごと。
クリスマスだったら
サンタさんを信じてもらいたいのも、プレゼントで喜んでほしいのも、実は全部、親の楽しみなのだ。

逆に、現実主義でサンタはいないと教える家庭も、プレゼントをあげない主義の家も、どれも間違いではない。
私たちはどこまでも子供に付き合ってもらっている。

私たちが子どもにできることは、実はそんなに多くないのだなと思う。
そもそも子供って実はしっかりしているし、自分でなんでも選べて、案外ちゃっかりしているし、あざとかったりする。
自分の子供時代を振り返っても「今ここでこういえばかわいがってもらえるだろうか?」とか計算していたのを覚えている。
親がいなくたって育つものは育っていくのだ。
産まれた命の成長を止めることは誰にもできないのである。

それは庭に偶然生えた植物に似ているように感じる。
そもそも完璧で、キラキラしている。放置していたって花を咲かせて種を付けることもあるだろう。
私にできるのは、環境をちょいと整えてあげたり、肥料をあげたり、できるだけまっすぐに上へ伸びていくことをサポートすることぐらいなのではないだろうか。

あとはせいぜい自分たちの勝手に付き合ってもらう時間が、少しでも楽しいものになればいいな。
毎晩「今日も楽しかった」と思って眠ってほしい。
少なくとも私にできる事なんて、たぶん本当にそれだけだ。

この新しくできた友達と私は明日も遊ぶのだろう。
面白いなあとか退屈だなあとか、そういう気持ちを繰り返しながら。

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ライター紹介

原田ちあき
イラストレーター・漫画家・京都芸術大学非常勤講師
誰の心の中にもある、鬱屈とした気持ちをカラフルに描く。

国内外問わず展示やイベントを行い、イラストの枠に収まらずコラボカフェ、アパレルデザイン、映画出演、コラムの執筆、コピーライター、バンドへのゲストボーカルなど活動は多岐にわたる。
誰かに喜んでもらえるなら何でもやりたい。

【連載】
「やはり猫にはかなわない」ソニーミュージック es
「原田ちあきの人生劇場」LINE charmmy
「しぶとい女」大和書房

【著書】
「誰にも見つからずに泣いてる君は優しい」大和書房
「おおげんか」シカク出版
「原田ちあきの挙動不審日記」祥伝社 等

【official】https://cchhiiaakkii8.wixsite.com/chiaki
【blog】http://cchhiiaakkii8.blog.jp
【Instagram】cchhiiaakkii9
【X】@cchhiiaakkii
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