「夜読む日記」
「グッとくるものを見つけ続ける」
私は買い物が好きだ。特に雑貨。次に日用品。
買い物している瞬間が好きだし、買ったものを家で広げる瞬間も大好き。
家に飾っているお気に入りがふと目に入る瞬間も大大大好き。
しかし、昔から買い物が好きだったわけではない。というかむしろ苦手であった。
欲しいものとか特になかったし、過去のワタクシは自分がなにを好きなのか、イマイチわかっていなかったのである。
以前書いたかもしれないが、私には夢がなかった。
小学生の頃将来の夢がなさ過ぎて、夢についての作文を書くのにかなり苦戦したことを覚えている。
今考えると、何を書いても否定されそうで怖かったのかも。
そのまま中学高校と進んだが「何かを作ってみたい」という漠然とした気持ちはあれど、それが何かはわからなかった。
当時の私の気持ちを素直に書くと、その「何か」っていうのは家族でも子供でもよかったし、歌でもイラストでも漫画でも演劇の脚本でもよかった。
一番できそうだな~と思ったのがお笑いの脚本を書いて演じる事で、まあそれが見事にうまくいかなかった。
高校を卒業してから、本格的にイラストを描き始める20歳ごろまで、私は何かを作る事しか考えていなくて、いろんなものを作りまくっては「いやあ違うなあ、上手くいかないなあ」とくさくさしていた。
そんなくさくさの私はある日ある歌手の映像を偶然目にすることになる。
その映像はバンドメンバーの趣味をただ紹介するだけの10分ぐらいの番組で、一人が「僕には趣味がないです。でも(有名になって)趣味を聞かれることが多くなって、遠征先の公園の滑り台の写真を撮って集めるようになりました。」と言っていて衝撃を受けた。
趣味って…人工的に作っていいんだ…!!!
趣味のない、何ものめり込めない自分には青天の霹靂であった。
え~趣味って作ってもいいんだ~…じゃあ私もこの人の真似をしてジャングルジムの写真を集めて回ってみようかな~なんてヌルっと思い立ち、貯金をはたいて購入したちょっといいデジカメを肩にひっかけて公園を回りまくった。
とにかく時間があったのでどこまでもチャリで走った。
何枚かジャングルジムの写真を撮っていくうちに「全く一緒の遊具って案外存在しないな…」と気づく。
それがとても面白いなと思った。
そうして大阪市内をチャリで走り回るうちに、ジャングルジムだけじゃなくてちょっとレトロな看板であったり、銭湯であったり、解体中の民家であったり、脱皮中の虫であったり
「なんかいいな」と思うものが自分にはある事に気づいたのである。
この時、私は私のグッとくるものに初めて気づいたのだ。
そこから私のなんかいいなと思うもの探しの旅が始まったってワケ。
初めはちょっとした「気になるなあ」から始めてもいいのだ。
好きなものと出会えると嬉しい、心がときめく。
好きなものを「心の支え」と表現するのは、本当にばっちりな例えだと思う。
好きなものが一つあるだけでワクワクする。落ち着く。ときめく。
何かあっても「でも私にはこれがある」と思える。
好きなものというのは自分の心を補強するパーツみたいだなと思うのだ。
正直増えれば増えるだけいいと思うし、にわかでも新参でもいいと思う。だって自分だけの「好き」だから。
そうして増えた自分の好きが、自分の足元をがっちりと支えていくのだ。
私は今日も街の中で、テレビで、インターネットの中で、好きなものを探す。
貪欲に自分の人生を彩っていくのだ。
好きなもので埋め尽くされた人生はきっと、今よりもっと素晴らしくて、フワフワと柔らかい場所になるはずだ。
居心地をよくしていこう。自分の手や目や足を使って。



