スマホのカメラにできること。 vol.01
「かけがえのない日常をもっとたのしく、もっと見返したくなる1枚に」
このコラムでは普段広告クリエイターとしてデザイン会社で働くS o h が、スマートフォンで思い通りに写真を撮るコツをご紹介。いい写真が何かはむずかしいけど、あらゆる人の写真体験がよいものになりますように、そんな願いを込めたコラムです。
「いい写真」って、なんだろう?
みなさん、突然ですが「いい写真」ってなんだと思いますか?
画質がうつくしい、色がキレイ、いつもの自分より盛れているなど、要素はたくさんあると思いますが、僕は「伝わる写真」がいい写真なのかなと思っています。
だって何気なく写真を撮る時でも、理由をよく考えてみると誰かに伝えたいとか、あとで見返したい、みたいな気持ちからだと思うんですよね。
だからこそ写真を撮る時は、何を伝えたいのかハッキリさせることが大切。
たとえば花を撮るとしたら、花びらの美しさなのか、茎の力強さなのか、鮮やかな花壇全体の景色なのか・・・。
インスタグラムだと#ファインダー越しの私の世界、なんてハッシュタグもありますが、「世界のどこをどう切り取るのか」ここに大きく個性が出ます。そしてその違いがまた面白いのです。
個性とか世界とか大げさに書いてしまいましたが、
ようは自分が惹かれたところに注目して撮ればいいってことです。たぶん。
BEFORE
看板やほかの植物など写りこみすぎ・・・
AFTER
要素がシンプルで、
木の魅力がシャープに伝わる!
フレームのなかは、写したいものだけ。
いい写真とは、伝わる写真。じゃあそのために必要なことってなんでしょう。自分がいつも意識しているのは、「写したいものだけをフレームに入れる」こと。つまり、邪魔なものは写らないようにしようぜってこと。
この前散歩をしていたら、街の中にしては大きい木を見つけました。強い西陽に照らされて佇む様子に惹かれて。でもなにも考えず撮ると、たとえば左の写真みたいに情報が散らかった印象になる・・・。
メインで伝えたいのは木。なので、車や道路が写りこまないアングルを探します。スマホ片手に周辺をうろうろ。完全に変質者ですよね(笑)
でもそんなことは気にしません、俺はいい1枚が撮りたいだけなんだから。
さ、そうして撮ったものが右側。撮るときに意識したのは、
①まずは撮りたいモノをきめる
②シンプルな背景を探して合わせる
です。真ん中に木を配置して、植物が包む建物を背景にしてみました。写り込む情報が少ないから木によく目がいくし、ポージングしている人みたいでなんだか愛らしい。うん、いい気がします(自画自賛)。
ちなみにビフォー写真はスマホ純正カメラで、アフター写真はアプリで加工しています。同じ条件で並べろよ!って言われそうですが、せっかくなら読んでくれる人に小さなサプライズがしたいじゃないですか。
でも実を言うと、このコラムで掲載する写真は無料の加工アプリとiPhone1台で完結させています。また加工テクニックやアプリを紹介する回も書きますので、のんびり待っていてくださいね。
POINT
ちょうど花びらに
光が当たる角度をさがす
POINT
俯瞰視点で花の形を見る
道端の花に、ぎゅっと寄ってみる。
なにか撮るものはないかな〜と散歩をしながら目をこらす。すると元気に咲く花がちらほら。道端の花って特別な感じはしないけど、なぜか撮っちゃう魔力がありますよね。今日こんな花があったよ、って誰か大事な人に送りたくなります。
ちなみにこの2枚とも1本で咲いていたわけじゃなく、公園とかの横にわさっと植えられているもの。そこをぎゅっと一部によって切り取ってみました。
余計なものを写さないのと同時に、アングルでも印象が大きく変わります。正面から撮られた白い花は、花びら全体の形状がよくわかる。黄色い1枚はスポット的に光が当たる花を横から撮ることで、1本で力強くたたずむイメージに。
いつでもどこでも持ち歩いているスマホだからこそ、カジュアルにぱっと撮れるのがいいんです。散歩中に撮った写真をシリーズとしてまとめてみるのも面白そう。
もしかすると日常の瞬間を特別に撮るんじゃなく、特別な瞬間は日常の中にあるのかもしれないですね。
(来世は哲学者になりたい筆者です)
最後の写真は、特に独特なアングルかもしれません。黄色い小さなバラがあって花とトゲを撮りました。花の正面ってもちろん素敵なんだけど、今回はあえてうしろから。なんか父親の背中みたいな語らない良さがあるんですよね。
さぁ、今日のコツは
「いい写真は伝わる写真」
「写したいものだけをフレームにいれる」
でした。あ、あとアングルの話もありましたね。
今後もこんな感じで写真のちょっとしたコツをお伝えしながら、ゆるく考えていることを言葉にしていきます。
クオリティの高い「プロの写真!」みたいなものはむずかしいけれど、
スマホならではのいい写真は、コツを知ればきっと撮れるはず。
このコラムを通して、みんなが写真をもっとカジュアルに楽しめるものになるといいなぁと思います。
ここまで読んでくれてありがとう。 んじゃ、また。