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「夜読む日記」

私は先月から裏返った洗濯物をひっくり返して畳むことをやめた。

私と夫は両方フリーランスで家事は分担しているつもりなのだが、私の方が汚れや洗濯物が溜まっている等に気づくことが多く、基本“料理を作る”以外の家事をほとんど私が担当している。

最近の夫はライブ等で(夫はラッパーなのだ)外出の機会が多く、仕事、家事、育児の3つをほぼほぼ全て担当する日々が続いている。
幸い息子は大人しく、「お腹が減った」「眠い」以外のことではあまり泣かない。
仕事も在宅のため取引先の方々がうまく調整してくださり、締め切りを伸ばしてもらったりなどしている。ご迷惑をおかけしてます。
が、どうにもこうにも部屋の片付けに時間がかりまくるのだ。

私は部屋が綺麗でないとなかなか集中できず、1日の始まりには必ず掃除をするのだが、夫がバタバタするたびに部屋がみるみる散らかる。
夫は在宅していることも多いため、夫が家にいる日、冗談抜きで私は一日中片付けをしている。
夫とはおそらくかなり仲良しなのだが、こと片付けに関しては相性が激悪だ。
夫と出会って10年以上経つ。今まであの手この手で「どうにか部屋を片付けてほしい」とお願いをしてきて、夫も気を使ってはくれているのだがどうしても難しいようだ。これはもう夫の習性として受け入れるしかないと思っている。

そもそも人によって「きれいな部屋」の想像図がそれぞれに違いすぎているのだ。
他人同士「何をもって清潔とするか」をすり合わせるというのはかなり難しい。

しかし納得しているつもりではいるが、余裕がないと「なぜ何度も言っているのに改善しないのか」というモヤモヤが沸々と湧き上がってくるのだ。ギエ~!
なぜ料理をした後のキッチンの壁や床が汚れているのか!使ったものを片付けないのか!皿を洗わないのか!何故洗濯物が溜まっていることに気がつかないのか!洗濯物は裏返しっぱなしなのか…何故…何故…何故なんだ!!!
何故成人した男の後始末を私がやっているんだ…!?どうして私だけ!!

ここで私はハッとした。
産後「こう思ったら無理をするのをやめよう」と決めていた事があったのだ。
それは「なぜ私だけが」と思う事だ。
私、今めちゃくちゃ思ってた!!

「なぜ私だけが」と思う時、私はいつも誰にも相談しないままキャパ以上に頑張ろうとしている。これってかなり一大事だ。
これはいかん。このまま1人で頑張り続けたら負のループだ。
何事も報連相。まずは報告・連絡・相談だ。

というわけで夫に後片付けがツラいことを伝えた。
現在、夫も音楽活動で忙しい事は脳では理解しているつもりだ。
だがしんどいものはしんどい。
何度も伝えてはいるができるだけ自分で使ったものは自分で片付けてほしいのだ。使ったものをもとの場所に戻す、正直それだけでかなり助かる。
夫はやはり自分が散らかしていることに気づいていなかっただけで「できる限り気をつける」と言ってくれた。
また「僕が気づいていなかったら言葉で教えてほしい」と改善策も一緒に考えてくれた。これはとてもありがたいことだ。
そう、夫はそもそもお願いしたらやってくれる人間。
エスパーではないので察してビームだけでは伝わらないのだ。あー、私ったらいつもこういう事を忘れちゃうんだから。

次に自分の負担をなるべく減らすことにした。
私が毎日「大変」と思う家事は“皿洗い”と“洗濯物を畳むこと”だ。
食洗器はあるのだが、なんとなく電気代がもったいない気がして皿を毎日3〜4回、食後に手洗いしていた。
それを極限まで疲れている日は1日に1度寝る前に食洗機に突っ込むと決めた。
また、洗濯物は夫が全て裏返しで脱いで洗いカゴに放り込む為、畳む時か干すときにいちいち表になるようひっくり返していたのだが、この作業は普通に時間がかかる上にちょっとイラっとするので省略することにした。
私はこれからは洗濯物が裏返っていてもそのまま干すし畳むのだ。
裏返した人が再び着用するときにひっくり返すがいい。
夫は風呂上りに上下ともひっくり返った服を着ていることが増えたが、指摘すると「ゲヘヘ」と笑って表返している。
私もそれを見て「ガハハ」と笑う。うむ。これなら全然イライラしない。

私はこれからも絶対一人では無理はしない。
どうせ人間死ぬんだからできるだけハッピーな時間が多い方がいいに決まっているのだ。
その為にできるだけ無理はしないことにしている。
代わりに家事をしてくれる機械があれば頼るし、やってくれる人がいれば任せる。
できるだけ人生の大切な時間を増やしていこう。そのために私は今日も裏返った洗濯物を適当に畳むのだ。

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ライター紹介

原田ちあき
イラストレーター・漫画家・京都芸術大学非常勤講師
誰の心の中にもある、鬱屈とした気持ちをカラフルに描く。

国内外問わず展示やイベントを行い、イラストの枠に収まらずコラボカフェ、アパレルデザイン、映画出演、コラムの執筆、コピーライター、バンドへのゲストボーカルなど活動は多岐にわたる。
誰かに喜んでもらえるなら何でもやりたい。

【連載】
「やはり猫にはかなわない」ソニーミュージック es
「原田ちあきの人生劇場」LINE charmmy
「しぶとい女」大和書房

【著書】
「誰にも見つからずに泣いてる君は優しい」大和書房
「おおげんか」シカク出版
「原田ちあきの挙動不審日記」祥伝社 等

【official】https://cchhiiaakkii8.wixsite.com/chiaki
【blog】http://cchhiiaakkii8.blog.jp
【Instagram】cchhiiaakkii9
【Twitter】@cchhiiaakkii
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