
ちょっと気楽になった夜
お悩み相談の痛快なアドバイスが人気。
人生の格言で多くの人の心を動かすDJあおいが
あなたの夜をちょっと気楽にします。
『生涯にわか』という生き方も悪くない
我が家は家族三人住まいなのですけど、6畳程度の空き部屋がひとつありまして、案の定というか、やっぱりというか、『いつか使うかもしれない』というギリギリ廃棄を逃れた物達が無造作に山積みにされていて、もはやダンジョン部屋になっていたのです。
通常『いつか使うかもしれない』という物は二度と出番がないのが定番なんですよね。
しかし、先日『アレ、確かあのダンジョン部屋にあったな』という機会があり、探しに入ったところ、頭上から漫画本が束で落ちてきたり、2度程度使って早々に飽きた謎のフィットネスマシンが脛にクリティカルヒットしたり、散々な目にあって私の掃除魂に火が着いてしまったんですね。
最初は『怒り』『恨み』『憎しみ』といった負の感情を燃やして鬼の形相で片付けていたのですが、次第にそれが『快感』に変化していったんです。
よく『普段掃除や片付けをしない人ほど一度やり始めたら止まらない』と聞くのですが、その人たちの気持ちが理解できたような気がします。
『結果がすぐ目に見える』というのが気持ちいいんですよね。
私はべつに綺麗好きというわけでもないのですが、ダンジョン部屋以外はわりと掃除はしている方だと自負しています。
でもその動機は『生活維持のためのひとつの習慣』としてやっているだけで、これといった快感を覚えたことはないんです。
それがダンジョン部屋を怒りに任せて片付け始めてみたら、もうアドレナリンが止まらなくなってしまったんです。
ひとつ片付ければひとつの結果が見え、二つ片付ければ二つの結果が見える
当たり前のように思えるのかもしれませんが、現実はなかなかに厳しく、100の努力をしても1の結果しか返って来ないなんてザラにあることで、努力と結果が等価交換できる『片付け』って奇跡なんですよね。
そんな経緯もあってすっかり探し物なんか忘れて片付けに没頭してしまったのですが、その日の夜のなんと清々しいことか。
いつもは音楽をかけたり本を読んだり、またはアロマを炊いたり適度のお酒をいただいたりなど、リラックスの補助が必要だったのですが、その日の夜は何もいりませんでした
ただただ、達成感の余韻に浸っているだけで十分だったのです。
『結果がすぐに見える』という行為が即時的な達成感を得ることができ、そのリバウンドとして良質なリラックスを得ることもできる。
そういう意味で言えば『まだやったことのないこと』に手を出すのがいいんですよね。
ゲームや娯楽などもいいのかもしれませんが、せっかくだから生産性のある有益なことに手を出していきたいですね。
DIYに挑戦するのもいいかもしれない、柄にもなくお菓子作りに挑戦するのもいいかもしれない、もう少しハードルを上げて何かのアプリを作るのもいいのかもしれない。
いつまでも未体験のことをつまみ食いしながら達成感を得ていれば、夜はいつもリラックスできるのかもしれない。
そう考えると、『ひとつのことを徹底的に追求するプロフェッショナルな生き方』もいいんですけど、美味しいところだけをつまむ『生涯にわか』という生き方も悪くないなと思えますね。
