ちょっと気楽になった夜
お悩み相談の痛快なアドバイスが人気。
人生の格言で多くの人の心を動かすDJあおいが
あなたの夜をちょっと気楽にします。
秒針の音が聞こえない夜
人には重要な情報に集中するため、不必要な情報をフィルタリングする機能が備わっています。
たとえば、時計の秒針がチクタクと時を刻む音は確かに存在するのに、それを聴覚で認識している人は少ないです。
これは脳が『秒針が刻む時計の情報は不必要だ』と判断したため、まるで聞こえないかのように音の存在を忘れてしまうわけですね。
そうやって様々な情報を抑制し、たったひとつのことに集中できているとき、私は心身共にリラックスできるような気がします。
大好きな映画や本に没入しているときはだいたいこの一点集中状態で、このとき、メールやラインの通知音や雨が窓をノックする音、または今日やらかしてしまったミスであったり、明日の地獄のようなスケジュールさえ、時計の音と同様に綺麗さっぱり忘れています。
コンセントレーションとリラクゼーションは対立しているように思えるのかもしれませんが、私自身の感覚で言えば、一点集中することにより精度の高いリラクゼーションの域に達するように思えます。
昔から眠るのが下手くそな体質で、年に何回か不眠のターンに陥ることがあるのですが、そのときは決まって『不必要な情報のフィルタリング』ができていないんです。
時計の音は非常ベルのようにけたたましく鳴り響いているように感じますし、テレビやエアコンに付いている主電源の小さな灯りでさえ直射日光を裸眼で浴びたように眩しく感じます。
そして頭の中では今日の情報、明日の情報、過去や未来の情報が波のように寄せては返しの繰り返しで一時も休まる暇もなく憔悴してしまいます。
あらゆる情報をいちいち拾ってしまうのでリラックスすることができないということですね。
もちろん、こんなときに大好きな映画を観ても上の空で、自身が聖書と崇める本を読んでもただ文字を追うだけの作業になってしまい、かえってストレスになってしまいます。
とくに現代は『情報社会』と言われるほど身近にあらゆる情報が錯綜していますから、情報をフィルタリングする機能が弱くなると要らぬ情報に飲み込まれ病んでしまうのかもしれません。
この不必要な情報をフィルタリングする機能を『潜在抑制機能』と呼ぶのですが、この機能が低いと周囲の多くの情報に敏感で、通常なら無視できるような刺激にまで気を取られ、これにより創造的なアイデアが生まれる可能性もあるのだそうです。
多くの情報を処理できる立派な頭脳を持っている人なら『天才』と呼ばれる人物になるのでしょうけど、私のような庶民脳では創造的なアイデアが生まれるどころか情報処理が追いつかず定期的にメンタルがBANされてしまうということですね。
これは意識下で行われていることなので直接的に『意識して』コントロールするのは難しい、というより無理です。
しかし、間接的に潜在抑制機能の働きを調整することは可能です
潜在抑制機能の働きは一貫しているものではなく、体調の良し悪しに左右されます。
体調がよろしくなければ潜在抑制機能の働きは低くなり、体調が良ければ潜在抑制機能の働きが高くなるということです。
要するに『体調に気を付けよう!!』という身も蓋もない結論になるわけですが、これはリラクゼーションの根幹の部分なので軽視しないように。 休めるときは休んで、眠れるときは存分に寝て、重要でないお誘いは丁重にお断りして、明日に回せる仕事は明日に丸投げして、好きな娯楽に一点集中できる環境を整えて体調を万全にしておきましょう。