ちょっと気楽になった夜
お悩み相談の痛快なアドバイスが人気。
人生の格言で多くの人の心を動かすDJあおいが
あなたの夜をちょっと気楽にします。
成功することを目的にするよりも
後悔しないことを目的にした方がきっと毎日が楽しい
子供って純粋無垢な存在だと思われがちなのですが、意外にもちゃんと計算していたりするんですよね。
明るくて、素直で、元気な子供が大人に好かれるということをちゃんと理解していて、そのステレオタイプの『子供らしさ』を再現しようと努めています。
明るくて素直で元気な子供と、内気で消極的な子供が、同じような功績を残した場合、大人が褒めるのは明るくて元気で素直な子供の方。
一方で明るくて素直で元気な子供と、内気で消極的な子供が、同じような失敗をした場合、叱られるのは内気で消極的な子供だったりします。
だから子供は子供なりに、大人の定めたステレオタイプの『子供らしさ』を必死に演じているんです。
それが幼稚園や小学校になると競合する相手が増えますので、子供の中でも『誰が一番明るく素直で元気な子供であるのか』という熾烈な競争が始まります。
中高生くらいになると気に入られる対象が同級生になったり、大学生くらいになると気に入られる対象が異性になったり、社会人になると気に入られる対象が先輩や上司になったり、その対象は都度異なりますが、基本的に人は他者から好かれるためのステレオタイプを模倣して競争しながら、自分の立場を確立していく生き物です。
もちろん、素で明るく素直で元気な子もいたのでしょうけど、そのほとんどは他者に好かれるステレオタイプの恩恵を目的とした意図的な『演技』だったように思います。
御多分に洩れず、私も子供の頃は『明るく素直で元気な子供』を演じていました。が、わりと早い段階で挫折した記憶があります。
競争が激しすぎてバチバチとした敵意を向けられるのも疲れるし、相対的な評価で自分に物差しを当てるのも我が身を切り売りしているような気がして、早々に『いい子競争』からはリタイヤしました。
無理に明るく振る舞うことをやめて、元気でもないのに元気なフリをするのをやめて、他者が期待している『素直さ』ではなく、自分自身の気持ちに忠実な『素直さ』に基づき、正真正銘の『素』で生きてみた結果、やっぱり得をするのは忠実にステレオタイプを再現したいい子界隈の強者たちなんですよね。
おかげで随分と辛酸を舐めましたし、違う誰かから嫌われることもありました。
理不尽な仕打ちも幾度となくありましたが、それ等の損失を補って余りあるほどの恩恵を得た気がします。
自分の人格を飾る必要のない清々しさと生き易さ、嘘偽りなく付き合える一生ものの人間関係、自分自身に最適な環境。
多くの人が思い描く『幸せ』を手に入れるために代償として支払っているものを私は手放すことをしなかった。
その結果、我ながら『なんてヘンテコな人生なんだ』と笑ってしまうようなコメディな人生になってしまいましたが、このまま生きていけばきっと最後は笑って逝けるような気がしてなりません。
成功することを目的にするよりも、後悔しないことを目的にした方が、きっと毎日が楽しくなるはず。
『大人』になんかならなくても結構なので、どうかいつまでも『自分』であり続けますように。
そう努めていると、どこに矢印を向けたらいいのかが明確になるような気がします