ちょっと気楽になった夜
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人生の格言で多くの人の心を動かすDJあおいが
あなたの夜をちょっと気楽にします。
クリスマスプレゼント
この記事が掲載される頃は『もうすぐクリスマス』という時期だと思います。
クリスマスと言えば年間を通して一番のビッグイベントですよね。
子どもの頃、枕元に靴下を置いて、翌朝のプレゼントを楽しみに眠った経験がある人も多いのではないでしょうか。
私も御多分に洩れず、クリスマスはもうあの聖夜の雰囲気から大好きで、『キヨシとヨシコの夜(当時の私にはそう聴こえていました)』を口遊みながら、自分より背の高いツリーに靴下をぶら下げていたことを鮮明に覚えています。
でも、一旦中学生くらいで『クリスマス離れ』をしちゃうんですよね。
なんかもうサンタも半ば職務放棄で現金を渡して『これで好きなものを買え』とか興醒めすることを言い出して、ついには『もうプレゼントはいいだろ』と強制退場させられる始末。
クリスマスにも空白の期間があるんですよね。
そしてクリスマスが聖なる夜として再燃するのは恋人ができた時でしょうか。
いつもよりちょっと贅沢な食事をして、街の煌びやかなイルミネーションをバックに身を寄せ合いながら歩き、お互いがお互いのサンタクロースになり、プレゼント交換をするというフォーマットはもはや鉄板。
楽しいし、嬉しいし、十分に満足なんですけど、なんか違うんですよね。
子どもの頃のクリスマスの興奮はこんなものではなかった。
何が違うんだろう?何が足りないんだろう?大人になってピュアなハートを無くしてしまったのか?汚れた大人になってしまったのか?
ずっと、そんな違和感を抱いてきたんです。
そして近年、やっとその違和感の謎が解けました。
原因は、プレゼント交換のシステムにあったのです。
恋人同士のクリスマスになってから、誰に教えられたわけでもなく、示し合わせたようにお互いがお互いの欲しいプレゼントを聞き合い、それをプレゼントし合うという形式になっていました。
ところが私が子どもの頃は、プレゼントの指定はしていなかったんですよね。
つまり、『プレゼントが何か』が当日まで分からなかったんです。
逸る気持ちを抑えて、プレゼントのリボンを丁寧に解き、包装紙も破らないように細心の注意を払いシールを剥がし、やっと箱とご対面して『もしやこれは!?』と胸を躍らせご開帳、そしてそこにあるのは…というところが興奮のピークだったわけです。
この一連のプロセスがクリスマスの醍醐味だったのだと分かってから、プレゼントの指定制度は撤廃しました。
『何をプレゼントしたら喜んでくれるのだろう?』と考えると、ちゃんと観察するようになるんですよね。
『そういえば最近アメカジの動画を観ていたな』とか『そう言えば同じブランドのスニーカーばかり履いているな』とか、普段は気が付かなかった部分が見えてくるんです。
そうやって入念にリサーチして、予算に合う品物を探し、いざプレゼントを渡す段階になると、思いもよらなかった想定外の感情が湧いてくるんですよ。
『気に入ってくれるかな?』『微妙なリアクションだったらどしよう』など、不安と期待が入り混じった緊張感。
そしてプレゼントを見て喜んでくれると、なんかもう意味のわからない涙が出てくるほど嬉しいんですよ。
プレゼントを貰うよりも、プレゼントを喜んでもらえることの方が桁違いに嬉しいんです
この嬉しさは子どもの頃の興奮を上回りました。
『そうか、プレゼントって差し出す方がメインイベントなんだ』と、この時に思い知らされました。
もし、この記事を読んでいる読者さんの中で『まだクリスマスプレゼントを買っていないよ』という方がいたら、相手のリクエストはあえて聞かず、ご自身でリサーチして、その人の喜んでいる顔を想像しながら探してみてください。
きっと、いつもよりも素敵なクリスマスになると思いますよ。
それでは、少し早いかもしれませんが、メリークリスマスってことで。
そして、良いお年を。
来年も何卒よろしくお願いしますね。



