
ちょっと気楽になった夜
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『貧乏ゆすり』改め『健康ゆすり』
小学校の低学年くらいの頃だったと思います。
勉強机で宿題をやっているとき、少し踵を浮かせると足が小刻みにカクカクっと動くんですよね。
まだそれが『貧乏ゆすり』という不名誉な名前が付いていることも知らず、『なにこれ!面白い!』と嬉々として高速のビートを刻んでいました。
しかし、学校の授業中にご機嫌なリズムをキメていたら、案の定先生に『行儀が悪いよ、やめなさい』と注意されました。
当時の私はまだ汚れを知らない真っ白なピュアっ子だったので、『先生のような偉い大人が間違ったことを言うはずがない、これは行儀の悪い行為なのだ』と盲信して、それ以来貧乏ゆすりは封印したまま大人になりました。
ある時期、テニスにハマった時期がありまして、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンという四大大会は課金してまで観ていたのですが、試合の合間に貧乏ゆすりをする選手が多いんですよね。
テニスといえば紳士淑女のスポーツじゃないですか。
プロとなればそれはもう高貴なイメージがあるじゃないですか。
その高貴な選手たちの多くが貧乏ゆすりをしているんです。
しかもよく見ると故意にやっているんですよね。
これは何か特別な意味があるに違いないと思い立ち色々と調べてみたところ、日本でいうところの『貧乏ゆすり』は『ジグリング』というらしく、自律神経を整える効果があるのだとか。
テニスはメンタルスポーツと呼ばれるほど集中力が必要な競技で、長い試合だと4時間掛かることも珍しくはなく、過集中になってしまうと精神的リソースが枯渇してしまうため、試合の合間にはジグリング(貧乏ゆすり)をして自律神経を整え、程良い集中力にチューニングしているのだとか。
逆にやる気が出なくダラダラした状態であるときにジグリングをしても、同様に程良い集中力にチューニングしてくれるのだそうで。
他にも血行の促進になったり、冷え性の改善になったり、ストレスの緩和になったり、もう至れり尽くせりの効能があるんですよね。
とくに長時間のデスクワークだと足が浮腫みがちなので、むしろ能動的にやった方がいいのだとか。
これってもう『貧乏ゆすり』ではなく『健康ゆすり』ですよね。
それを知ってからウン十年封印してきた貧乏ゆすりを解禁したところ、本当に集中力が持続するし、デスクワーク特有の足のだるさも綺麗になくなるんです。
もう魔法のクリエイティブビートと言っていいくらい効果覿面なので、ぜひ多くの人に試して欲しいのですが、残念ながら未だに『貧乏ゆすり=行儀が悪い』という文化が根強く残っているので、試すのなら人目のつかない自分の部屋などでやってみてください。
いつか『健康ゆすり』と改名してブレイクするように応援しています。
